竹林社会保険労務士事務所では、無料の簡易労働相談を行っています。
お問い合わせのページからメールにてご連絡ください!

竹林社会保険労務士事務所/広島市安芸区

竹林社会保険労務士事務所/広島市安芸区のバナー

Main Menu

 
■ 解雇トラブル急増中
■ 労働問題Q&A
 

Sub Menu
■■
 
 

就業規則Q&A−就業規則改訂による労働条件の不利益変更−


 当社は長引く不況の影響を受け業績が年々悪化しており、できる限りのコスト削減
を図りましたが、それでは追いつかず、賃金コスト削減のために賃下げを行おうと思っ
ております。しかし当社の労働組合は『労働条件の不利益変更だ!』と全く話し合いの
テーブルにつこうとしてくれません。そのため就業規則を変更して賃金の引き下げをし
たいと思いますが、可能でしょうか?


A 就業規則の変更に伴う労働条件の引き下げが有効とされるか無効とされるかは、そ
こに合理性が存在するかによって判断されます。そのとき労働条件引き下げの『必要性
と労働者が受ける『不利益性』とのバランスやいくつかの基準を元に判断されます。
なお、労働協約による労働条件の引き下げは協約が労働組合の目的を逸脱して締結され
たか否かが判断基準になっていますが、就業規則の不利益変更に合理性があるかどうか
は全く別とされています。
 下の図をご覧ください。これは概念的なものですが、変更の必要性が大きく、労働者
が受ける不利益性が少ないと判断されるものは合理性ありとされます(赤線)。このラ
インは上記@〜Bの措置を取った場合や同業他社との比較で容認できる範囲と認められ
る場合は引き下げられることになりますし、労働条件変更に労働組合の合意を得て労働
協約によっておこなう場合も引き下げられます。例えば、×印であっても、ラインが緑
線まで引き下げられれば合理性ありとなるのです。


例えば、単年度の減収程度で賃下げを行うような場合、その『必要性』に対して『不利
益性』が大きいとして無効になる可能性が高いでしょう。逆に賃金コストを下げなけれ
ば、希望退職や退職勧奨、整理解雇を実施せざるを得なくなるといったことが予見され
る状況であれば有効とされる可能性は大きくなります。但し、地域の同業他社の労働条
件も勘案されますので、必ずしも認められる、認められないとはいえません。個々のケ
ースによるのです。
また、@『変更の必要性』A『労働者が受ける不利益性』以外にも
B就業規則の内容の相当性・・・特定の者を狙い撃ちしていない、移行措置などをとっ
 ている。
C代替措置・・・一方的に労働者に負担を強いるのでなく、他の労働条件を引き上げる
 ことで、労働者の不利益性を緩和する努力。
D多数労働組合や労働者代表との交渉経緯・・・就業規則は会社が一方的に変更するこ
 とはできますが、多数労働組合や労働者代表の合意が得られていない場合は合理性が
 低いとされる可能性が高くなります。少なくとも合意を得るための努力は必要です。
E少数組合など少数意見の尊重・・・労働者代表との話し合いだけで済ませては、後々
 トラブルの種にもなりかねませんし、企業の説明責任が果たされていないと見られる
 こともあります。少数意見にも耳を傾け、誠意を尽くして説明することが重要です。
F同業他社との比較・・・同じ地域や同じ規模の同業他社の労働条件と比べて著しく低
 いものは、合理性がないと見られる可能性が高くなります。
なども判断の要因とされます。
 ご質問の場合、まず労働協約改訂の申し入れをおこない、それに労働組合が同意しな
い場合は就業規則の変更を行うことになりますが、労働協約に期間の定めがない場合、
解約の申し入れをして90日後、期間の定めがある場合は期間満了を待って、行うこと
になります。また労働条件引き下げが認められても遡及適用はできませんので、注意が
必要です。

<参考>
 賃金の引き下げではありませんが、労働条件の引き下げに関する判例として有名な
『秋北バス事件』があります。

社内電子メールの私的利用制限


トップ 業務案内 就業規則 賃金 退職金 是正勧告 助成金 労働問題Q&A 解雇トラブル急増中
お問い合せ リンク サイトマップ 残業代込み賃金設計ソフト 竹林社会保険労務士事務所便り(Blog)


SEO アクセスアップ