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「解雇・退職110番」

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解雇トラブル急増中
解雇トラブルの急増
 近年、労働者の権利意識の高まりや、労働相談を受け付ける機関、裁判外紛争処理に関する法整備と機関(ADR)の充実とともに、解雇に関するトラブルが増えています。
以下は、全国の労働局が受け付けた個別労働紛争解決制度施行状況の結果(厚生労働省発表)ですが、相談件数が昨年より10万件も増えています。また、その内訳は解雇、退職勧奨を併せて36.6%と多数を占めています。さらにグラフにはありませんが、紛争調整委員会にあっせん申請があったものでは、解雇が45.1%、退職勧奨が5.8%と、併せて半数を超えているのです。

   

   

※ご注意
 以下記載事項は私の私見によるところが多いため、必ずしも学説や判例と一致するものではありません。よって、記載している要件を満たさなければ解雇はできないというものではありませんし、逆に要件を満たしているから解雇が有効であるというものでもありません。日ごろ私が関与先企業様にお話している内容をまとめたものですので、あくまでも一つの参考としてお考えください。

解雇はできる?できない?
 答えを言えば、解雇はできます。「但し」ということで「労働基準法第18条の2」があり、「労働基準法第19条」によって一部解雇制限をされるということです。そして解雇をするときは「労働基準法第20条」の手続きを踏む必要があるのです。
 しかし、実務上では「解雇は原則できない。但し、会社が解雇回避努力をしたにも関わらず、労働者を雇い続けることができないほどの理由が存在し続けるとき」にのみ解雇が有効になると考えるべきだと私は思います。
 法解釈を間違えているとご指摘を受けるかもしれませんが、私は学者でも弁護士でも、まして裁判官でもありません。ただの実務家ですので、会社が勝てる見込みのない訴訟は、何としてでも避けなければなりません。その視点から考えると「解雇は原則できない」という前提に立たざるを得ません。

>解雇の類型
 解雇は大きく3つに類型化できます。
@整理解雇 A懲戒解雇(諭旨解雇) B普通解雇 です。

@の整理解雇に関しては、過去の判例で「整理解雇の四要件」が確立しています。
Aの懲戒解雇は普通解雇より厳しく要件を問われますが、横領など重大な刑事事件を起こ
 したときは一発解雇も可能です。就業規則の制裁規定に照らし合わせ、解雇をもって臨
 むしか企業秩序の維持・回復ができない状況にあれば、つまり要件さえ備わっていれば
 逆に認められやすいともいえます。
Bもっとも事例が多く、トラブルになりやすいのが普通解雇です。以下に普通解雇をする
 ときの留意点をまとめます。

普通解雇の要件
 解雇の要件は安西 愈先生の「トップ・ミドルのための採用から退職までの法律知識」(中央経済社)に非常にわかりやすく書かれていますので、是非一度ご参照いただきたいと思いますが、過去の判例を読むと、特に
@就業規則の解雇事由に該当すること
A解雇回避努力をしたこと
B再三の注意・指導にも従わず改善の見込みがなく企業秩序を保てないとか、多大な損害
 を被るかその恐れがあり解雇しなければ企業の事業運営に支障をきたす恐れがあること
C不当な動機が存在しないこと
が重要視されるのではないかと考えます。

 @は、大都市圏の裁判所など、例示列挙の考えを採用する所が増えてきているようですが、限定列挙の立場をとる裁判所もありますので、できれば就業規則に記載している解雇事由に直接該当していることが求められます。ただ、多くの就業規則には包括的準用ができるように「上記に類する事由が存在するとき」といったことが書かれているかと思いますので、世間一般的に見て解雇に該当する事由が存在すれば問題はないでしょう。
また、解雇事由の程度の大きさもひとつのポイントです。なお解雇事由が事実として存在し、証拠や証言によって解雇事由が客観的に見て証明できなければなりません。

 Aは普通解雇において最も重要視される点だと考えます。度々無断欠勤や遅刻が発生するといった服務規程違反のときは、注意・指導をし、始末書の提出を求めたり減給、出勤停止などの措置をして反省を促したかという点が重要になります。能力不足や協調性不足であれば教育・指導をおこなったか?それでもダメなときは他の部署への配転をしたか?(小規模の企業であれば必ずしも配転は求められるものではないと思われます。)
また、解雇事由に関連して他の労働者にも何らかの責任があるときは、その他の労働者にも相応の処分をしているか?(均衡処分)といったことも重要です。
なお、解雇事由が短期的な事由に終始しているときは、解雇回避努力をしていないとされる可能性が高いと思われます。つまり、会社の我慢が足りないということです。

 Bは他の労働者や取引先、顧客が解雇される者をどう見ていたか、それが従業員の士気に大きく影響するものか否か、取引や売上げに大きく関わることか否か、クレームの多発により企業の名誉・信用を著しく傷つけられるものかといった判断が必要です。

 Cは労働者が正当な要求をしたことに対する報復措置であるとか、労働組合潰しであるといった不当な動機があるか否かです。特に説明の必要はないと考えます。

解雇トラブルを回避するために
 協調性のなさや、勤怠不良、業務命令違反など解雇理由は多く存在しますが、解雇をトラブルとしないためには、何よりも労働者と話し合うことです。
 例え腹に据えかねる相手であっても「原則、解雇はできない」と自分に言い聞かせて、根気よく注意・指導をし、説得してください。そして比較的緩やかな制裁を課して反省を促し、それでも改善されなければ徐々に厳しい処分を課すことになります。
 なお、これらのことは事細かく記録を残しておくことをお勧めします。後々トラブルが生じたときに、会社を守る重要な証拠となります。
 そして、解雇止むなしとなっても、即解雇に踏み切るのではなく、退職勧奨をするとか場合によっては会社から紛争調整委員会や地労委に相談することも考えてください。
(退職勧奨についてはそれが強要とならないよう、注意が必要です。)

裁判外紛争をお考えの方のために
 社会保険労務士は本来会社サイドの人間(と私は心得ています)ですが、ADRに関しては労使どちらからのご依頼にも対応いたします。
(但し、関与先企業様の従業員からの依頼にはお応えできません。)
 裁判外紛争解決は、時間的にも金額的にもメリットが大きいのですが、労働局紛争調整委員会のあっせんは、平成15年度に合意が成立したものは2,154件(42.2%)、と、必ずしもあっせんにより解決できるとは言えません。
 当事務所ではご依頼いただいた案件に関して、法令や通達、施行規則、判例などを元に精一杯お手伝いをいたしますが、解決をお約束するものではないことを。予めご承知おきください。
メールによるご依頼は、ご契約いただくまでは無料ですので一度ご相談ください。
なお、広島市内の主な公的労働相談窓口を掲載していますので、ご確認ください。

お勧めの書籍
労働基準法解釈総覧 (厚生労働省労働基準局編)
トラブルを起こさない退職・解雇の実務と法律知識石崎 信憲
トップ・ミドルのための採用から退職までの法律知識 (安西愈)
労働裁判における解雇事件判例集 (厚生労働省労働基準局監督課編)
労働判例百選別冊ジュリスト (No.165)(有菱閣)



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労働基準法
(解雇)第18条の2
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

(解雇制限)第19条
使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。

 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。

(解雇の予告)第20条
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

 前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

 前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。

解雇に関する重要判例
●解雇権の濫用
・日本食塩製造事件(昭和
 50年 最高裁第二小法廷
 判決)
・高知放送事件(最高裁昭
 和52年1月31日第二小法
 廷判決)

●予告を欠く解雇の判例
・細谷服装事件(最高裁昭
 和35年3月11日第二小法
 廷判決)

●就業規則と解雇事由
・大阪フィルハーモニー交
 響楽団事件(大阪地裁平
 成元年6月29日判決)
・茨木消費者クラブ事件(
 大阪地裁平成5年3月22日
 決定)

●懲戒解雇
・日本経済新聞社事件(東
 京地裁昭和45年6月23日
 判決)

解雇事由別判例
●勤怠不良
・高島屋工作所事件(大阪
 地裁平成11.1.29判決)
・東新トレーラーエキスプ
 レス事件(東京地裁平成
 4.8.25判決)

●協調性欠如
・相模野病院事件(横浜地
 裁平成13.3.12判決)
・リアテック事件(大阪地
 裁平成13.11.20決定)

●能力不足
・三井リース事件(東京地
 裁平成6.11.10決定)
・セガ・エンタープライゼ
 ス事件(東京地裁平成 
 11.10.15決定)

●地位特定社員・専門職社 員の能力不足
・フォード自動車事件(東
 京地裁昭57.2.25判決)
・プラウドフットジャパン
 事件(東京地裁平成  
 12.4.26判決)
・ヒロセ電機事件(東京地
 裁平成14.10.22判決)

お勧めのサイト
厚生労働省第4回今後の労働契約法制の在り方に関する研究会
全基連労働基準関係判例検索
労働委員会関係 命令・裁判例データベース
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