労働基監督署が行う臨検監督・是正勧告の解説ページです。
その際、最も重視されるサービス残業についても解説します。

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監督署の夜間立ち入り調査強化

 ワンポイントチェック
西日本新聞 2004.04.26記事より
 厚生労働省はサービス残業問題で労働基準監督署による夜間の立ち入り調査を積極的に実施し、過労死対策の取り組みも強化するなど、長時間労働対策に本腰を入れる方針を固めたそうです。サービス残業や過労死問題は違法な長時間労働が背景にあることから、夜間の立ち入りが重要と判断し、臨検の際には事前に申告者からより詳しい情報を入手し、具体的な調査方法やどの資料が必要かなど計画を綿密に練り上げ、過労死対策では、つながりが薄かった労基署内の監督部門と労災補償部門が情報を共有するなど連携を強化する方針。
 

是正勧告を受けないためのサービス残業対策


 最初にお断りしますが、働かせておいて賃金を支払わないで済むといった魔法のよう
なグッドアイデアを期待してこのページを開かれた方には申し訳ございません。そんな
ものは存在しません。サービス残業をさせるリスクがどれだけ大きいかを認識した上で
極力サービス残業をさせない。法令で許されるあらゆる方法を駆使してサービス残業を
なくそうと考えられている方にお読みいただきたいと考えています。


<残業発生のメカニズムを検証する>
 サービス残業だけを考えるのではなく、残業がどうして発生するのか、そのメカニズ
ムを検証することが一番重要です。その上で無駄な時間を削減し、残業時間そのものの
削減を図るべきです。概念的なものですが、下の図を見てください。

赤に近づくほど労働密度が濃く、白に近づくほど薄いとします。それぞれの枠は1時間
と考えてください。図1では右側の8時間を超えた橙色の1時間に時間外割増がついて
いて、クリーム色の2時間がサービス残業だったとします。これを作業の棚卸によって
残業発生のメカニズムを検証することにより、後ろの2時間を法定労働時間内にもって
こようとするものです。そのために法定労働時間内のクリーム色の部分の労働密度が上
がることになります。このとき、逆に密度の濃い時間を他の時間に振り分けることも忘
れてはいけません。そうすることによって、労働密度の標準化と実労働時間の削減を図
るのです。もし図2のような形になれば、たとえ残業時間がサービス残業であっても、
それを改善することは一応できています。(勿論、監督署は許してくれませんが)
 例えば小売業で朝の準備が忙しいとき、いくつか日中の密度が低い時間や前日の夜に
できることはないか、商品の入荷時刻を変えることで対応できないか、開店時の品揃え
はもっと少なくて良いのではないかといったことを考えていくべきです。サービス業で
夜間が忙しい場合は、午後からの出社にするなどシフト勤務で大胆に働き方を変えてい
く方法もあります。サービス残業発生を抑制するには、サービス残業だけに注視するの
でなく、労働時間全体の作業の棚卸をすることが最も重要です。やり方は個々の企業に
よって違うでしょうが、考え方の基本は同じです。

仕事の棚卸を行ったうえで、固定作業が多い職種ではLSP(レイバースケジューリン
グプログラム=作業量に応じて要員を適切に配置する仕組み作り)に基づく作業計画が
有効ですし、マンアワー(労働者一人の時間当たり生産性)から求めた製造目標の設定
なども無駄を省くためには有効です。これらを難しく考えることはありません。自社に
あった形で無理のないように導入することが肝心です。また、変形労働時間制やフレッ
クスタイムの採用、営業マンにはみなし労働時間制、専門業務型裁量労働制、企画業務
型裁量労働制なども考えられます。 アウトソーシングを活用することも選択肢にはあり
ます。無駄をできる限り排除していくことが、サービス残業を削減することになります
し、それこそが本来の意味でのリストラであると思います。
⇒是正勧告を受けないためのサービス残業対策2

サービス残業から過労死・過労自殺、訴訟などの問題につながると、企業のブランド失墜による顧客や取引先離れなどが起きないとはいえません。重要な、リスクマネジメントと位置づけて取り組むことが大切です。

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